土地
その他
さて、運悪く「地図混乱地域」出くわしたら、
どんなリスクや対処法があるでしょうか。
地図混乱地域は対象地が特定できません。
つまりは、
「この土地の登記簿には私の名前がある!」
といっても、それが何処だか分からない!
そういう状態です。
そういう状態では、先ず売買自体が困難です。
金融機関からの融資も難しいでしょう。
特定できない物は担保にできませんから。
都市整備や災害復旧の事業も遅れがちです。
権利関係が定まらないと実施できません。
固定資産税も登記面積が不正確ですから、
どうしても課税の不公平が生じがちです。
公図混乱地域では、
こうした悪影響が考えられます。
ならばすぐに解消したいところですが、
ことはそう簡単ではありません。
地図の訂正には、地域内の利害関係者全員の合意が欠かせないからです。
先ずこれには多額の費用が掛かります。
個人で解決するのは現実的ではありません。
最も現実的な解決法は次の 3 つです。
①法務局による 14 条地図作成作業による是正
②国土調査法に基づく地籍調査による是正
③利害関係者全員の合意に基づく地図訂正(集団和解方式)
地図混乱の地域があまりに大きい場合は、
①と②の方法に頼るのが得策でしょう。
ただし、国では公図混乱地域を優先して整備していますが、
それでも整備時期は不透明です。
もし地域が狭く関係者の合意が見込めるなら、
③の方法も選択肢に入ってくると思います。
もっと解消の必要が差し迫っているなら、
(ちょっと話が難しくなりますが)
裁判や裁判外紛争解決手続の利用や、
法務局の筆界特定制度の活用も考えられます。
どちらにしても、大変な労力です。
ですから、先ずはお考えの対象地が
地図混乱地域でないかどうかを
どうぞお確かめください。
業者に現地と公図を確認してもらい、
納得できるまで説明を受けてください。
それが不動産活用や取引の「一丁目一番地」だと、筆者は思っています。
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