TOP
  1. ホーム
  2. ブログ
  3. 『地積調査』の始まり

BLOG

ブログ

2019.04.
19

『地積調査』の始まり

土地

その他

この前、明治維新を境に、日本人の土地に対する権利意識が

「用益権」から「所有権」へ大きく変わった話をしました。

具体的には、明治6年(1873年)の地租改正で、

日本ではじめて土地の私的所有権が認められました。

 

でも、ほとんどの一般国民は、その時は意味がよく分からなかったと思います。

「年貢を取る相手が藩から国に代わり、米の物納から現金徴収に変わった」

そんな感覚だったろうと思います。

 

ですから、明治22年に始まった「土地台帳附属地図」作りも、

自分の資産台帳というよりは“年貢取り立て台帳”みたいな、

そんなイメージだったのではないでしょうか。

事実、固定資産税台帳の原型でもあるのですから。

 

そんなこんなで、出来上がった土地台帳附属地図は、

国民の意識と技術不足の両方から、とても精度の悪い代物でした。

 

でもそれが、今日の公図の原型です。

しかも今なお、そのままの地図が利用されている地域がまだまだ多いのです。

 

明治29年に「不動産」という用語が登場し、国民の意識も変わる中で、

やがて正しい地積図の編成は、国の一大目標となりました。

“悲願”といってもいいかもしれません。

でも、残念ながら、今も遅々として進まないのが現状です。

 

昭和26年の開始から半世紀以上経った平成29年度末の時点で、

地籍調査の進捗率は、なんと未だに52%だそうです。

しかも地価が高い都市部(人口集中地区)が25%と最も低い!

 

何故なんでしょう?

 

正直答えはよく分かりません。

でも、謎を少しでも解明したいです。

安全な不動産の運用や取引に欠かせないことですから。

 

なので、地籍調査を取り巻く環境の話題も、

これからも粘り強く取り上げていこうと思います。

SHARE
THIS POST
  • このエントリーをはてなブックマークに追加
  • follow us in feedly

最新記事

記事一覧に戻る

  1. TOP
  2. ブログ
  3. 『地積調査』の始まり